Ktai Entry マニュアル

はじめに

プラグイン配布サイト: http://wppluginsj.sourceforge.jp/ktai_entry/

※以前からのユーザーさんは、少なくとも「↓以前のバージョンからの更新方法」と「↓改版履歴」には目を通しておいてください。

概要

Ktai Entry は、携帯電話・PHS 等から WordPress に投稿できるメール投稿用プラグインです。いわゆる「モブログ」ができます。

環境に応じて、以下のいずれかの投稿スタイルが選べます。

  1. 外部メールボックスに随時アクセス:
    投稿専用メールボックスに定期的にアクセスして新着メールがあれば取り込み、投稿処理を行う (wp-shot と同じ仕組み)。
  2. メール着信時に投稿スクリプトを起動:
    メールサーバー上に投稿専用アドレスを作り、そこにメールが到着したら投稿スクリプトを起動させる (wp-mta と同じ仕組み)。

対応環境

設置方法

プラグインをインストールするだけでは、うまく動作しません。以下の設置方法を良く読んで作業してください。

  1. 他のメール投稿プラグインを使っている場合、それらを停止して、プラグインファイルを削除してください。wp-shot を使っていた場合、wp-shot/style.css の内容も、お使いのテーマの style.css に追記しておいてください (でないと、過去のメール投稿写真のスタイルが崩れます)。
  2. プラグインをダウンロードして展開し、ktai-entry フォルダーごとサーバーのプラグインディレクトリー (wp-content/plugins/) に転送します。
  3. 投稿スタイルに応じて、以下の通りメールサーバーの設定をします。
    (外部メールボックスに随時アクセスの場合)
    投稿専用メールアドレスを設定します。
    1. 携帯用メールアドレスを準備・取得してください。できれば、他で使っているアドレスと兼用にするのは避けて、専用のメールアドレスにしてください。無料メールアドレスで構いません。
    2. 各種設定→投稿設定→「メールでの投稿」に、メールサーバー・ログイン名・パスワードを記入してください。
      ※ wp-shot で必要だった、wp-mail.php のリネームは不要です。プラグインを有効にすると wp-mail.php にアクセスしても 403 Forbidden になります。
    (メール着信時に投稿スクリプトを起動させる場合)
    投稿先となる秘密のメールアドレスを作ります。
    1. メールアドレスとなる秘密の文字列を考えます。シェルで
      php -r 'echo md5(uniqid(rand(), true)) . "\n";'
      などとするといいいでしょう。
    2. メールサーバーにシェルログインし、.qmail-SECRET (qmail の場合)、もしくは .forward+SECRET (postfix の場合) というファイルを作ります (SECRET はさっき作った秘密の文字列)。これは qmail や postfix でサポートされている拡張メールアドレスの機能で、USER-secret@example.com または USER+secret@example.com というメールアドレスが有効になります。qmail の場合、秘密の文字列は英小文字と数字だけにしてください (大文字やドットは無効)。
    3. ファイルの中身は以下のようにします。(PHP および wp-content/ へのパスはサーバーに応じて調整してください)
       | /usr/bin/php /(WordPress へのパス)/wp-content/plugins/ktai_entry/inject.php
    4. WordPress MU の場合、ブログごとに .qmail-SECRET ないし .forwarc+SECRET を作ってください。そして、inject.php に -blog オプションで blog_id を指定してやる必要があります。
       | /usr/bin/php /(WordPress へのパス)/wp-content/plugins/ktai_entry/inject.php -blog 2
      また、wp-config.php にて define( 'SUNRISE', 'on' ); のコメントを外し、ktai_entry/sunrise.php を wp-content/sunrise.php にコピーする必要があります。もし、すでに sunrise.php が存在する場合は、ktai_entry/sunrise.php の内容を既存の sunrise.php の後に追加してください。
    ※要は、秘密のメールアドレスにメールが着信したら inject.php が起動されるようにします。自宅サーバーをお使いの方ならば、他の設定方法にもチャレンジしてみてください。
  4. 自分の WordPress サイトに管理者ログインして、新規にユーザーを作り、メールアドレスとして、携帯電話のメールアドレスを入力します。登録ユーザーのメールアドレスのみ投稿できるようチェックしているためです。メール送信してすぐ公開したい場合は、権限を「作成者 (author)」以上としてください。「投稿者 (contributor)」の場合、「レビュー待ち (pending)」または「下書き (draft)」になり、編集者 (editor) 以上の権限を持つユーザーによる公開処理が必要となります。「購読者 (subscriber)」の場合は投稿できません。
  5. 使用しているテーマのスタイルシート (style.css) を確認し、alignleft, aligncenter, alignright, clear クラスに対応していなければ、以下の記述を追加してください。
    img.alignright {
    	padding: 4px;
    	margin: 0 0 2px 7px;
    	display: inline;
    }
    img.alignleft {
    	padding: 4px;
    	margin: 0 7px 2px 0;
    	display: inline;
    }
    .aligncenter, div.aligncenter {
    	display: block;
    	margin-left: auto;
    	margin-right: auto;
    }
    .alignright {
    	float: right;
    }
    .alignleft {
    	float: left
    }
    .clear {
    	clear:both;
    }
    また、画像にプリント写真のような白枠を付けたいならば、以下のスタイルを style.css に追加してください。
    /* ----- Style for Ktai Entry ----- */
    .photo img {
    	background:white;
    	margin:0 4px 2px 4px;
    	padding:3px;
    	border:1px solid #999;
    }
    /* ---------- */
  6. Ktai Entry プラグインを有効にします。
  7. 管理パネル「各種設定」→「メールで投稿」のオプションを変更します。基本的にはそのままで問題ありません。※wp-shot で必要だった cron ジョブの設定、RFC1939 のチェックはなくなりました。
  8. ます。

以上で完了です。本プラグインの更新を知らせるために、別途「JSeries Notifier」をインストールされることをおすすめします。

wp-content もしくは wp-content/plugins ディレクトリーを標準の位置以外に移設する場合

WordPress 2.6 以降で可能になった、wp-content ディレクトリーや wp-content/plugins ディレクトリーを標準の位置以外に移設する場合は、以下の手順で行なってください。

  1. プラグインのインストール時、ktai_entry ディレクトリーにウェブサーバーから書き込み可能な権限を与えておきます。つまり、パーミッションを 757 や 777 にしておきます。
  2. プラグインを有効化します。このとき、ktai_style ディレクトリー直下に wp-load-conf.php ファイルが自動的に作られれば、設定 OK です。
  3. 作られない場合は、手動で wp-load.php を編集してください。
    20行目にある $wp_root 変数を変更して、WordPress インストールディレクトリーへの絶対パスを示すようにしてください。
    例: WordPress ディレクトリーが /home/foo/public_html/wp-core/ で、wp-content ディレクトリーが /home/foo/public_html/wp-content/ の場合
    $wp_root = dirname(dirname(dirname(dirname(__FILE__)))) . '/wp-core/'; とします。

Gmail の場合の設定

無料メールアドレスとして Gmail を使う場合は、次のように設定してください。

  1. まず、Gmail アカウントを作成します。すでに持っている場合も、できれば別に作った方がよいです。
  2. Gmail 設定→メール転送と POP/IMAP 設定→POP ダウンロード、で「今後受信するメールで POP を有効にする」を選択します。
  3. 何かランダムな文字列を作ります。「投稿設定」→「メールでの投稿」で表示されるランダムな文字列から記号を抜いて大文字を小文字に変える (例: aBM9dDu*^w$R → abm9dduwr) とか、シェルで php -r 'echo md5(uniqid(rand(), true)) . "\n";' などとします。この文字列を Gmail アドレスのローカルパート (@ の前の部分) に + で連結して、投稿受付アドレスを作ります。
    Gmail アドレスが example@gmail.com で、ランダムな文字列が abm9dduwr とすると「example+abm9dduwr@gmail.com」が投稿受付アドレスとなります。Gmail から携帯電話にこのメールアドレスを本文に書いて送信しておくと便利です。
  4. Ktai Entry オプションの「投稿受付アドレス」に、このアドレスを記入します。これで、ランダム文字列を付けたアドレスのみが受付され、通常の Gmail アドレス (exmaple@gmail.com など) 宛のメールは拒否されます。
  5. 投稿設定→メールでの投稿、を以下のように設定します。Gmail は SSL 必須です。
    メールサーバーssl://pop.gmail.com
    ポート995
    ログイン名(Gmail アドレス) 例: example@gmail.com
    パスワード(パスワード)

Yahoo! メールの場合の設定

無料メールアドレスとして Yahoo! メールを使う場合は、次のように設定してください。

  1. まず、Yahoo! メールアドレスを取得します。すでに持っている場合も、できれば別に作った方がよいです。スパム防止のため、できるだけランダムなアドレスにしてください。
  2. メールオプション→POP アクセスとメール転送→(パスワード入力)、で「ブラウザアクセスと POP アクセス」を選択します。Yahoo! デリバーに登録していない場合は、Yahoo! デリバーにも登録してください。このとき、メール送信先はこの Yahoo! メールアドレス *以外* としてください。さもないと、配信された広告メールがウェブログに投稿される可能性があります。
  3. Ktai Entry オプションの「投稿受付アドレス」に、Yahoo! メールアドレスを記入します。
  4. 投稿設定→メールでの投稿、を以下のように設定します。パスワード保護のため SSL を推奨します。
    メールサーバーssl://pop.mail.yahoo.co.jp
    ポート995
    ログイン名(アカウント名。メールアドレスの@より前の部分) 例: example
    パスワード(Yahoo! Japan ID のパスワード)

以前のバージョンからの更新方法

  1. まず、プラグインを無効にしてください。
  2. バージョン 0.8.11 以前を使っている場合、以下の作業が必要です。
  3. バージョン 0.8.10 以前を使っている場合、以下の作業が必要です。
  4. バージョン 0.7.1 以前を使っていた場合、ktai_entry ディレクトリー直下にある po ファイル、mo ファイルは削除してください。
  5. ktai_entry ディレクトリー直下のファイルを、新しいファイルで上書きしてください。
  6. プラグインを有効にし、「投稿設定」でメールサーバーのパスワードが正しいか確認してください。(プラグインを無効にしたときパスワードを初期化し、有効にしたとき復帰させていますが、その復帰処理が正常に行なわれているかの確認をお願いします)

プラグインの撤去

プラグインの使用を中止して、撤去するには以下の手順で行なってください。

  1. 管理画面の「携帯表示」で、一番下にある「オプション値をデフォルトに戻す」をクリックします。
  2. プラグインを無効にします。
  3. FTP ツール等で、wp-content/plugins から ktai-entry ディレクトリーを丸ごと削除します。
  4. 念のため、「投稿設定」→「メールでの投稿」で、メールサーバーの設定がデフォルト値 (mail.example.com 等) に戻っていることを確認してください。戻っていなければ、すべて空白にしておいてください。

使用方法

携帯電話から、投稿専用メールアドレス (上記で準備したメールアドレス) に投稿するだけです。送信したメールを元に新規投稿を作成します。

タイトル
メールの題名 (Subject)、または本文中の <title>〜</title> で囲まれた内容。(後者が優先です)
投稿作成者
差出人 (From) アドレスに対応する登録ユーザー
公開ステータス
投稿作成者が「作成者 (author)」以上の権限を持つ場合は「公開」です。「投稿者 (contributor)」の場合は、「レビュー待ち (pending)」となります。「講読者 (subscriber)」の場合は、投稿できずエラーとなります。DRAFT, PENDING コマンド (後述) で変更できます。
投稿日時
メール投稿日時 (Date フィールドの日時)。DATE コマンド (後述) で変更できます。
重複投稿を防ぐため、Date フィールドの日時ないし、DATE コマンドで指定した日時が、すでに存在する投稿の日時と一致する場合はメールが読み込まれません。
投稿スラッグ
時分秒を繋げた6ケタの数字 (同じ数字が存在するときは -2, -3,... と追番がつきます)。SLUG: コマンド (後述) で変更できます。
カテゴリー
デフォルトは、管理パネル→各種設定→投稿設定の「メール投稿時のデフォルトカテゴリー」。CAT: コマンド (後述) で変更できます。
本文
本文が投稿本文になります。ただし、カテゴリー指定指示・キーワードタグ指示、画像回転指示などのコマンドおよび、「-- 」で始まる署名部分は削除されます。
写真つきメールの場合は、画像を切り出してファイルアップロード処理を行い、その画像を呼び出す a 要素および img 要素が埋め込まれます。
本文が、すでに存在する投稿と同じ場合は重複とみなして投稿処理を中断してエラーとします。また、データベースに下書きとして保存した本文や添付写真は削除されます。ただし、添付画像がある場合は、同じ画像があっても追番が付与されてファイル名が異なってしまうため、同一判定に引っかからず重複投稿されてしまいます。

公開ステータス設定

作成者 (author) 以上の権限を持つユーザーが投稿する場合、通常はすぐ公開されますが、以下のコマンドを入れると下書き (draft) またはレビュー待ち (pending) の状態を設定できます。投稿者 (contributor) 以下のユーザーは、これらのコマンドを使っても無効です。コマンド文字列は投稿本文からは削除され、見えなくなります (寄稿者以下のユーザーが使っても削除されます)。

写真だけアップロードする/とりあえず投稿しておいて、あとで Ktai Style でじっくり編集する、などに使えます。

下書きにする
メール本文のどこかに
DRAFT
と書きます。1行の中に「DRAFT」以外の文字列を書いてはいけません。DRAFT は行頭にある必要があります。
レビュー待ちにする
メール本文のどこかに
PENDING
と書きます。1行の中に「PENDING」以外の文字列を書いてはいけません。PENDING は行頭にある必要があります。
未公開にする
メール本文のどこかに
PRIVATE
と書きます。1行の中に「PRIVATE」以外の文字列を書いてはいけません。PRIVATE は行頭にある必要があります。

投稿日時設定

デフォルトで投稿日時は、メールの Date フィールドの値 (投稿した日時) になりますが、過去の日付や未来の日付、または添付写真の撮影日時を指定することができます。未来の日付にすると予約投稿となります。メール本文のどこかに

DATE: (投稿日時)
または
DATE: (写真番号)
と書きます。「DATE:」は行頭にある必要があります。コマンド文字列は投稿本文からは削除され、見えなくなります。日付フォーマットは、PHP の strtotime()関数が認識するものであれば OK です。たとえば、以下のような記述が可能です。「+1 hour」は 1 時間後を意味する指定で、一番最後の「DATE:1」は写真番号の指定です。

DATE: 2008/5/25 19:4:32
DATE: 2008-05-25 19:04
DATE: 2008-05-25T19:04:32+0900
DATE: Sun, 25 May 2007 19:04:32 +0900
DATE: +1 hour
DATE: 1

写真番号は、添付した順番に 1,2,3,... となります。この機能を使う場合は、PHP の EXIF 拡張が使える必要があります。また、回転した画像では EXIF 情報が抜けるため、画像回転コマンドと併用すると、日付指定が無効になってしまいます。携帯電話の機種によっては、EXIF 情報を記録しないものがある (シャープ製ソフトバンク端末等) ため、そもそも日付指定が効きません。

投稿スラッグ設定

デフォルトで投稿スラッグは、投稿時刻を元にした6ケタの数字 (時分秒を繋いだもの) になりますが、任意の英数字を指定できます。メール本文のどこかに

SLUG: (投稿スラッグ)
と書きます。「SLUG:」は行頭にある必要があります。英数字、ハイフン(-)、アンダースコア(_)が使えます。使えない文字を含めてしまっても、自動的に除去されます。コマンド文字列は投稿本文からは削除され、見えなくなります。

カテゴリー指定

カテゴリー指定の方法

臨時的にカテゴリーを「メール投稿時のデフォルトカテゴリー」以外に変更したい場合は、メール本文のどこかに、以下のように書きます。

CAT:カテゴリーID
  または
CAT:カテゴリー名
  または
CAT:カテゴリースラッグ

例えば以下の書き方が可能です。

CAT: 3
CAT: 旅行の計画, 2006年07月 3-3-SUNフリーきっぷ
CAT: plans, 首都圏日帰り, 46
カテゴリー追加の方法

投稿時のカテゴリーを、「メール投稿時のデフォルトカテゴリー」の他に別途追加したい場合は、メール本文のどこかに、

CAT+カテゴリーID
  または
CAT+カテゴリー名
  または
CAT+カテゴリースラッグ
と書きます。「CAT+」の文字列は行頭に書くことが必要です。コンマで区切って複数のカテゴリーを追加することも可能です。

カテゴリー変更の方法

投稿時に「メール投稿時のデフォルトカテゴリー」を変更してしまうことが可能です。

CAT>カテゴリーID
  または
CAT>カテゴリー名
  または
CAT>カテゴリースラッグ
と書きます。「CAT>」の文字列は行頭に書くことが必要です。コンマで区切って複数のカテゴリーを記述できますが、変更対象となるのは最後の行にある最初のカテゴリーです。投稿には記載したすべてのカテゴリーが反映されます。

CAT+>カテゴリーID
  または
CAT+>カテゴリー名
  または
CAT+>カテゴリースラッグ
と書いた場合は、デフォルトカテゴリーの変更を行いますが、既存の「メール投稿時のデフォルトカテゴリー」も投稿に反映されます。つまり、既存のデフォルトカテゴリーと今回指定したカテゴリーの両方が指定されます。

キーワードタグ付与

キーワードタグも付与できます。メール本文のどこかに、以下のように書きます。

TAG:タグスラッグ名

画像回転

携帯端末で撮影した写真を90度左右に回転させることが可能です。あらかじめ携帯端末で回転させてから投稿することを推奨しますが、時間がないときや、回転させると画像の左右が欠けてしまう端末では、この機能が便利です。コマンド文字列は投稿本文からは削除され、見えなくなります。

(画像が1枚だけのとき)
メール本文のどこかに、
ROT:L
  または
ROT:R
と書きます。前者は左回転。後者は右回転です。「ROT:」の文字列は行頭に書くことが必要です。画像が大きいときは、回転させてからサムネールを作成します。
(画像が2枚以上のとき)
ROT:L
  または
ROT:R
とすると、すべての画像を同じ方向に回転します。
ROT:NLR
などとすると、1枚目は回転せず(N)/2枚目を左回転(L)/3枚目を右回転(R)します。画像の枚数だけ、N,L,R の文字列を書きます。文字数が画像の枚数より足りない場合は、足りない分を "N" があるとみなします。
ROT:2L4L
などとすると、2枚目を左回転/4枚目を左回転します。何枚目かを示す数字と回転方向を示す L,R の文字列を繰り返します。空白やコンマで区切ってはいけません。NLR 式の指定と 2L4L 式の指定は混在できません。混在させてしまったときは回転指示が無効になってしまいます。

制限事項

高度な設定・機能

post.php を編集することにより、以下の設定が変更可能です。

独自フィルターフック

Ktai Entry は以下の独自フィルターフックを備えています。差出人アドレス確認の結果、画像リンクの XHTML 記述や、投稿本文の記述を自分好みに変更することができます。

my-hacks.php や自作プラグインファイルにフィルター関数を記述し、同時に add_filter('ktai_image_link', '(フィルター関数名)', 10, 3); などと書けば、フィルターフックが有効になります。

ktai_retrieve_interval
引数: $interval
外部メールボックスを読み出す間隔 (分単位) をフィルターします。0 または -1 にすると読み出ししません。
ktai_validate_address
引数: $user_id, $address
差出人メールアドレスから、ウェブログ登録ユーザー ID を割り出した結果をフィルターします。登録ユーザー以外に別途許可したいアドレスがある場合や、投稿作成者は管理者に固定したい場合などに使います。
ktai_post_category
引数: $categories
投稿するカテゴリーをフィルターします。$categories はカテゴリー設定/追加/変更コマンドなどを適用した結果で、カテゴリー ID が入った配列です。少なくとも1つの要素があります。
ktai_post_keywords
引数: $keywords
投稿に付与するキーワードタグをフィルターします。$keywords はコンマ区切りのタグ一覧文字列です。
ktai_image_rotate
引数: $rotations, $rot_direction, $images
画像の回転コマンドをフィルターします。$rotations は回転指示を示す配列です。画像枚数だけの要素があり、N, L, R のいずれかの文字が入っています。$rot_direction は回転コマンド文字列そのものです。$images は画像の配列 (2次元配列) です。n は0で始まるインデックス番号で、$images[n]['name'] がファイル名、$images[n]['p_type'] が MIME プライマリータイプ (image)、$images[n]['s_type'] が MIME セカンダリータイプ (jpeg, png, gif など)、$images[n]['body'] が画像データーそのものです。
ktai_post_name
引数: $post_name, $contents
投稿スラッグをフィルターします。$post_name は投稿スラッグの文字列です。$contents は投稿内容を示すオブジェクトです (オブジェクトのメンバーはソースを見てください ;-)。返り値を空にするとデフォルトのスラッグ (時分秒を繋げた6ケタの数字) になります。
ktai_post_date
引数: $date_string, $images
投稿日時指定をフィルターします。$date_string は日時指定コマンドの文字列です。$images は画像の配列です。返り値を空にするとデフォルトの投稿日時 (Date: フィールドの日時) となります。
ktai_post_status
引数: $status, true, $user_id, $address
投稿者が利用可能な投稿ステータスをフィルターします。$status は、publish (公開), pending (レビュー待ち), draft (下書き), NULL値 (投稿不可) のいずれかで、投稿者の権限によって決められます。返り値は、この4つに加えて private (非公開) も使えます。true の部分は常に true が入ります (過去との互換性のための引数)。 $user_id, $address はそれぞれ投稿者のユーザー ID およびメールの差出人アドレスです。このフィルターを使うと、「講読者にはメール投稿は許可する」「この編集者ではメール投稿を不許可」などの設定ができます。
引数: $html, $id, $size
各画像を表示する XHTML をフィルターします。$htmlwp_get_attachment_link() の結果です。$id は画像の post ID、$size は挿入する画像サイズで、medium, thumbnail のいずれかです。
ktai_media_to_html
引数: $html, $content, $img
画像を挿入した投稿本文をフィルターします。$html は投稿本文、$content は画像挿入前のテキスト、$img は画像ごとの XHTML が入った配列です。
ktai_notify_subject
引数: $subject, $blogname, $post, $poster
Ktai Entry のメソッド notofy_publish() で送信される通知メールの題名 (Subject) をフィルターします。$blogname はブログ名、$post は投稿オブジェクト ($post->post_title が投稿タイトル等)、$poster は投稿者オプジェクト ($poster->display_name が名前) です。notify_publish() の使い方は「メール投稿されたら管理者にメールが届くようにしたい」を参照してください。
ktai_notify_message
引数: $subject, $blogname, $post, $poster
Ktai Entry のメソッド notofy_publish() で送信される通知メールの本文をフィルターします。$blogname はブログ名、$post は投稿オブジェクト ($post->post_title で投稿タイトル等)、$poster は投稿者オプジェクト ($poster->display_name が名前) です。

ログ機構

投稿がうまく処理されないときの問題点の洗い出し、不正アクセスの検出などのために、メール投稿処理のログを取ることができます。ktai_entry.php の 32 行目にある //define('KE_LOGFILE', 'logs/error.log'); のコメントを外します。すると、ktai_entry ディレクトリー配下の log ディレクトリーに error.log が作られます。念のため、手動で log ディレクトリーおよび error.log ファイルを作成して、chmod 0777 および chmod 1666 しておいた方が確実です。

外部メールボックスに随時アクセスの場合、メールチェックの度にログされますので、5分間隔の場合、1日で16000行以上記録されるかもしれません。

古いログの圧縮や削除は行ないませんので、logrotate(8) の対象にするか、手動で圧縮や削除を行なってください。そのまま放置すると、巨大なテキストファイルになり、問題が発生することがあります。

ktai_entry.php の 33 行目 //define('KE_DEBUG', true); のコメントを外すとデバッグモードになり、さらに詳細な動作ログを取ることができます。管理パネルのメール投稿から、外部メールボックスの手動確認リンクをクリックした場合は、詳細な動作ログを画面でも確認できます。

ログメッセージは原則的に英語です。文字化けして読めない場合を避けるためです。簡単な英語ですので、がんばって読んでみてください。しかし、ktai_entry.php の 112 行目のコメントを外して「load_plugin_textdomain('ktai_entry_log', ...」を有効にすると日本語化できます。文字コードはウェブログの文字コード (UTF-8 等) と同じです。ただし、メールサーバーに返答するためのメッセージ、および外部のメールボックスから返されたメッセージは英語のままです。

ログメッセージの解説および対処法は、「エラーメッセージ」を参照してください。

他のメール投稿ツールとの相違点

他の WordPress 用メール投稿ツールとの機能・実装の違いは以下の通りです。

動作比較表
Ktai Entry wp-mta wp-shot MobG 1.0 MobG 0.6 wp-mb_mail wpmob wpmobExpress
メール送信後に投稿処理が不要 ●※1●※1△※2-※3●※1
管理パネルで設定可
絵文字投稿 ●※4
許可アドレスの指定
(U: 登録ユーザー/F: 設定ファイル)
U※5UUU, FU, FUFF
不許可アドレスからのメール 残す/返送返送残す削除削除削除残す残す
APOP 対応 (対象外)△※6
SSL 対応 (対象外)
複数カテゴリーの指定
キーワードタグの付与
公開ステータスの指定
投稿日時の指定 ●※7
投稿スラッグの任意指定
画像はメディアライブラリに登録
画像は uploads ディレクトリーに保存
画像の回転
出力テンプレートに対応 △※8△※9△※9△※9
制約など PHP5 専用主に自宅サーバー向けWP 2.5 以降専用
※1: POP3 アクセスは、誰かがサイト閲覧したのをトリガーに行う。
※2: サーバーで cron 設定が必要。
※3: 別配布の STDIN 版では対応。
※4: au, ウィルコム, ドコモ、ソフトバンクのみ対応。
※5: my-hacks.php でフィルター関数を書けば、登録ユーザー以外のアドレス追加が可能。
※6: ソースコードの微修正が必要。
※7: 添付写真の EXIF 日付を投稿日時とする指定も可能。
※8: テンプレートは1種類のみで、管理パネルで編集可能。
※9: 設定ファイルまたはスクリプト自体の編集で、出力フォーマットの各パーツを変更できる。
(注意) SOMY Mobile Gate は比較表に掲載していません。これは開発が終了しており、WordPress 2.3 以降で正しく動作しないため、自分でコード修正ができる人でない限り使うべきではないからです。後継ツールとして MobG があります。

今後の予定

改版履歴

ver 0.9.1.2 (2011-09-30)

著作権について

Ktai Entry のライセンスは GPL v2 とし、著作権は作者である IKEDA Yuriko が保有します。ただし、ソースコードのいくつかの部分は WordPress の本体コードを流用したものがあり、その部分は WordPress 開発者が著作者です。具体的な流用元はソースコードを参照してください。

PEAR.php 単体は PHP ライセンス、Mail_mimeDecode.php 単体は BSD ライセンスであり、著作者はそれぞれのソースファイルに記載されている通りです。

以上