花火ってプロの写真を見ると凄く綺麗に見える。
だったら自分にも撮影出来ると勝手に思い込んでしまう。
自分の写真技術力を省みず花火の写真を撮った。
その場で写真は確認できるがあくまで小さい画面のデジカメの世界だ。
その時点では満足できていた。自分ながら自分の技術に惚れ惚れとする。
ウーンなかなかいいぞ。意気盛んで家に帰ってくる。
早速パソコンに接続をして画像をダウンロードする。
心は逸り、わくわくする。
早いところ自分の撮影した花火を見たい。
やがてダウンロードした画像は我の目に止まった。
エッツ絶句。なんだこれは。
確かに花火は写っていた。
だがしかし、プロの写真とは違ってしまりが無い。冴えない写真ばかりだ。
これが自分の実力だ。
しかし此処で俺は言い訳をする。
そもそも花火と言うものは、夜空に舞い上がって開いて広がって、
そして一つ一つの火の粉が静かに夜空に溶け込んでいく切なさがいいんだよ。
と嘯く。
そうなんだ。花火は動画で見るべきだ。
静止画像で花火の良さなど判るはずがないと、悔し紛れに言い訳をした。
しかし、同じ花火大会の楽しい時間を共有出来たと思っている。
何万人が同じ夜空を眺め、同じため息をつく。これこそ花火の醍醐味だ。
これで満足であろう。
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川崎の花火大会